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「この先生に継がせて本当に大丈夫?」──第三者承継における“相性”の見極め方

2025/07/04

「この先生に継がせて本当に大丈夫?」──第三者承継における“相性”の見極め方

親子承継が難しい昨今、第三者承継によるクリニックの引き継ぎは着実に増えています。信頼できる医師が後継者として名乗りを上げてくれるのはありがたいことですが、いざ進めようとすると、「この人で本当に大丈夫なのか?」という不安が院長の胸に広がるのも自然なことです。

医師免許を持っていても、医院を“経営”していくには別の素養が必要です。特に、継承する側が経験年数の浅い勤務医である場合、以下のようなギャップが承継後に問題化することがあります。たとえば、「患者との接し方が丁寧すぎて診察が回らない」「スタッフに対して権限移譲ができない」「数字に対する関心が薄く、月次のPLを見ない」など。こうした“経営者としての視点”が不足していると、いくら臨床力が高くても組織全体は回りません。

では、承継前にどうやって“相性”を見極めるべきか。その方法の一つが「段階的な引き継ぎ期間の設計」です。いきなり譲渡契約を結ぶのではなく、半年〜1年間の“診療同行”や“共同経営”フェーズを設け、実地での行動・判断・職員との関係性を観察する時間を取りましょう。この期間に「理念の共有」が生まれれば、承継後の混乱は確実に減ります。

さらに、経営方針・診療方針の摺り合わせは、口頭ではなく書面で合意形成するのが重要です。特に「診療時間」「自由診療の範囲」「スタッフ評価制度」などは、価値観の違いが表れやすいため、承継前に“事業方針書”の形で明文化し、意識をすり合わせておきます。

医師同士の信頼も大切ですが、医院という場は院長とスタッフの相性、院長と患者の相性も問われます。たとえ医師として優秀でも、“この医院の空気に合うかどうか”は、単なるスキルや肩書きでは測れないのです。最終的に重要なのは、理念・ビジョンが共有できるか。そして、「この医院を自分ごととして背負えるか」。その覚悟があるかどうかが、第三者承継成功の分水嶺です。


第三者承継で相性を見極めるためのポイント

  • 第三者承継では「臨床力」だけでなく「経営者としての視点」が重要
  • いきなり譲渡せず、半年〜1年の“同行・共同運営期間”を設ける
  • 経営方針・診療方針は口頭ではなく「事業方針書」で書面合意する
  • 継ぐ側の“覚悟”と“医院文化との相性”は必ず見極めるべき要素
  • 医師同士だけでなく「スタッフ・患者との関係性」も含めて検討する
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