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医院継承時にBPOを導入する判断軸

2026/02/03

医院継承時にBPOを導入する判断軸

医院継承は、診療体制や経営の在り方を見直す大きな転換点です。
前院長から引き継いだ運営体制をそのまま踏襲するケースも多い一方で、
業務の属人化や非効率が残ったままになることも少なくありません。

こうしたタイミングで検討したい選択肢の一つが、BPO(業務プロセスアウトソーシング)の導入です。

医院継承後に表面化しやすい業務の課題

継承直後は診療そのものに意識が向きがちですが、
実際にはバックオフィス業務に多くの負担が集中します。

・特定のスタッフしか業務内容を把握していない
・前院長の判断ややり方に依存している
・院長自身が間接業務に時間を取られている

これらの状態は、継承後の安定運営にとって大きなリスクになります。

BPO導入を検討すべきタイミングとは

BPOは、問題が顕在化してから導入するよりも、
変化のタイミングで検討する方が効果を発揮しやすい手法です。

特に医院継承時は、

・業務フローを一度整理できる
・役割分担を再設計できる
・「これまで通り」に縛られにくい

という点で、BPO導入に適したタイミングといえます。

判断軸① 院長の時間がどこに使われているか

BPO導入を検討するうえで、最初に確認したいのが
「院長の時間の使い方」です。

・レセプト確認
・スタッフの勤怠管理
・業者対応や事務処理

こうした業務に多くの時間を割いている場合、
診療や経営判断に使うべき時間が圧迫されています。

院長でなければできない業務と、
仕組み化できる業務を切り分けることが、最初の判断軸になります。

判断軸② 業務が属人化していないか

特定のスタッフしか分からない業務が多いほど、
医院運営は不安定になります。

・急な退職や休職に対応できない
・引き継ぎに時間がかかる
・業務内容がブラックボックス化している

こうした状態は、医院継承後に特に顕在化しやすく、
BPOによって業務を外に出すことでリスク分散が可能になります。

判断軸③ 今後の医院像と合っているか

BPOは「今の問題を解決するため」だけでなく、
「これからの運営を見据えて」導入することが重要です。

・診療時間を増やしたい
・分院展開を考えている
・医療法人化を検討している

将来的な規模や体制を考えたときに、
今の業務を内製で続けるべきかどうかを考えることが、重要な判断材料になります。

判断軸④ コストではなく効果で考える

BPOを検討する際、
「外注費が高いか安いか」だけで判断してしまうと失敗しやすくなります。

重要なのは、

・削減できる人件費
・削減できる時間
・業務の安定性

といった効果を含めて考えることです。

短期的なコスト増に見えても、
中長期的には経営の安定につながるケースも少なくありません。

判断軸⑤ 内製と外注のバランスを保てるか

すべての業務を外に出す必要はありません。
BPOはあくまで「補完的な仕組み」です。

・判断が必要な業務は院内に残す
・作業中心の業務は外に出す

このバランスを意識することで、
BPOは医院運営を支える有効な選択肢になります。

医院継承時こそ業務の再設計を

医院継承は、単なる引き継ぎではなく、
医院運営を再設計する機会でもあります。

業務を可視化し、
院長とスタッフが本来注力すべき役割に集中できる体制を整えることが、
継承後の安定と成長につながります。

BPOは、そのための現実的な手段の一つといえるでしょう。

この記事を監修した人

浅見 允文

16年以上にわたり人事・組織運営支援の分野で実務経験を積み、年間110件を超える医療法人および個人開業医からの支援要請を受ける、株式会社ジムチョーの創業者。事務長代行・事務代行といった実務支援に加え、診療所経営における人的資源管理、業務設計、運営体制の最適化に関する高度な知見を有する。中でも、管理職層・事務長層を対象とした育成・研修においては高い評価を得ており、組織基盤強化と持続的発展に資する中核人材の育成に継続的に取り組んでいる。

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