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病院7割赤字、クリニックはどうなの?

2025/08/15

病院7割赤字、クリニックはどうなの?

ニュースで見た「病院7割赤字」、これって本当?最近、「全国の病院の7割が赤字」というショッキングな数字がニュースやSNSで拡散されました。
背景には、

  • 人件費の上昇(医師・看護師確保のための給与引き上げ)
  • 物価高(光熱費・医療材料の高騰)
  • 診療報酬の伸び悩み
  • 診療報酬単価の減少(今後も改悪の予想)
  • 人口減少による患者数の減少
  • 新型コロナ後の患者行動の変化

といった要因が複雑に絡み合っています。特に公立病院や中規模以上の病院では、規模が大きい分だけ固定費も莫大で、赤字を埋める余力がなくなってきているのが現実です。

じゃあクリニックは安全地帯なのか?

結論から言えば、病院よりはマシだが、決して安全圏ではないというのが本音です。
クリニックは規模が小さい分、

  • 建物維持費や人件費が抑えやすい
  • 院長の判断で診療内容や運営方針を即変更できる
  • 設備投資も比較的コンパクト

という強みがあります。
しかし、近年はクリニックも同じ波にさらされています。

  • 医療材料や光熱費の高騰
  • スタッフ給与の上昇(採用競争の激化)
  • 患者数の季節変動
  • コロナ後も一部残る受診控え
  • オンライン診療や大手チェーンの進出による競争

こうした要素が重なり、「黒字幅が年々縮んでいる」クリニックも珍しくありません。

診療科別に見る経営状況

クリニック経営の安定度は、診療科によってかなり差があります。

  1. 皮膚科・整形外科・小児科
     比較的安定した患者数が見込めます。慢性疾患や定期通院が多いため、季節変動の影響も少なめ。
  2. 耳鼻咽喉科・内科
     インフルエンザや花粉症などの流行に左右されやすく、閑散期と繁忙期の差が大きい。
  3. 美容医療・自由診療系
     保険点数に左右されず単価が高く、集患戦略がうまくいけば安定しやすい。ただし広告や設備投資のコストが高め。
  4. 在宅・訪問診療
     地域によっては安定的な需要があり、診療報酬も比較的高いが、スタッフの確保と移動効率が課題。

SECONDの財務プロチームが過去に分析したデータでも、「同じ診療科でも立地と経営方針次第で利益率は2倍以上の差が出る」ことが確認されています。

赤字に陥る前にやるべき3つのこと

黒字を守るためには、経営者である院長が“先手”を打つ必要があります。
よくある改善策を3つの軸で整理します。

1. 収入源を分散する

保険診療だけに頼らず、自費診療、健診、予防接種など複数の収益柱を作る。
特に分院展開や美容メニュー追加は短期で効果が出やすい一方、初期投資が必要なため、投資回収計画を立てることが重要です。

2. 経費を見直す

  • 仕入れ先の価格交渉(医薬品・消耗品)
  • 光熱費削減(LED照明や空調効率改善)
  • RPAや予約システム導入による人件費削減

SECONDの財務プロチームでは、1年単位で見ると経費削減だけで数百万円の改善余地が見つかるケースもあります。

3. 診療圏を広げる

訪問診療やオンライン診療の導入、または分院展開によって患者接点を増やす。
特にオンライン診療は、地方や郊外の患者にもアクセスできるため、今後の集患戦略の鍵になります。

「数字の見える化」が最大の武器

ここが一番大事なポイントです。
毎月の売上は見ていても、「どの診療科が利益を生んでいるか」「どの経費が増えているか」まで把握できているクリニックは意外と少ないです。

SECONDの財務プロチームでは、

  • 診療科別利益率
  • 月次・年次トレンド
  • 分院ごとの損益比較
  • 投資回収シミュレーション
    を“見える化”し、具体的な打ち手を提案します。
    数字が可視化されると、「何を優先して改善すべきか」がハッキリします。

病院とクリニックの経営構造の違い

病院とクリニックの経営構造には、見た目以上に大きな違いがあります。
まず病院は、医師・看護師・技師・事務職といった多職種のスタッフを常勤で抱えており、人件費比率が非常に高いのが特徴です。人員配置は診療報酬の施設基準や安全管理体制の条件でほぼ固定されるため、簡単に減らすことはできません。さらに、広い建物や24時間体制の設備維持にも多額の固定費がかかります。こうした構造のため、病床稼働率が数%落ちるだけでも赤字に転びやすいのです。

一方でクリニックは、規模が小さい分、設備維持費や人員数をある程度コントロールしやすく、院長の判断で診療時間やメニューを変えるスピードも早いのが強みです。例えば、午後の診療枠を自費診療に切り替えたり、オンライン診療を追加したりといった柔軟な対応が可能です。

しかし、この柔軟性があるからといって安心はできません。クリニックは患者単価や患者数が少し下がるだけで、利益への影響が直撃します。特に固定費の割合が高いクリニックでは、売上が1割減っただけで利益が半減するケースもあります。たとえば、季節要因で患者数が減ったり、競合が近くに開業したり、物価高で仕入れコストが上がるだけでも、すぐに利益を圧迫します。

このため、院長は自院の利益構造を「なんとなくの感覚」ではなく、数字で正確に把握しておくことが重要です。人件費比率、材料費率、1人あたり患者単価、診療科ごとの粗利…こうした指標を定期的に確認し、変化があれば早めに手を打つことが黒字維持のカギになります。

SECONDの財務プロチームでは、この利益構造の“弱点”を一緒に洗い出し、数字に基づいた改善策を提案します。先手を打てる経営体制を整えることで、予期せぬ環境変化にも強いクリニック経営の支援が可能です。

SECOND財務プロチームの強み

単なる数字管理だけでなく、

  • 現場運営と経営の両視点でアドバイス
  • 分院展開時の資金調達と返済計画の最適化
  • 補助金・助成金の活用サポート
  • 経費構造の改善提案までをワンストップで提供します。

特に「経営は感覚でやってきたけど、そろそろ数字で判断したい」という院長には、現場オペレーションに精通したコンサルタントによる伴走型のサポートが効果的です。

「病院7割赤字」という数字は、決して他人事ではありません。今は黒字でも、環境や制度が変われば一気に状況が悪化する可能性があります。だからこそ、今のうちから利益構造を理解し、改善策を打っておくことが必要です。SECONDの財務プロチームは、院長の右腕として数字と戦略の両面からサポートします。赤字に転ぶ前に、ぜひ一度、自院の財務の健康診断を受けてみてください。

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この記事を監修した人

呉 泰成(オウ タイセイ)

金融と医療、2つの専門分野にまたがる知見を持ち、数字と現場の両面から経営を支えるプロフェッショナルです。これまで、公認会計士として、金融業に関わる監査・アドバイザリー業務に携わってきた経験と、税理士として医療分野を中心とした税務・会計支援の実績を通じて、企業経営の本質と現場の実態の両方に深く向き合ってきました。

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