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承継後、スタッフが“辞める医院”と“定着する医院”

2025/06/27

承継後、スタッフが“辞める医院”と“定着する医院”

スタッフが“辞める医院”と“定着する医院”

クリニックの事業承継において、最大の落とし穴は「スタッフの離職」です。新院長が正式に就任してから半年以内にスタッフの1〜2割が退職するケースは珍しくありません。これは患者離れと同様、経営上の大きな打撃となります。ではなぜ、承継後にスタッフが離れてしまうのでしょうか。

最大の理由は「価値観のズレ」と「評価制度の変化」です。先代院長との間で築かれていた信頼関係が、新院長には引き継がれません。さらに、診療方針や勤務シフト、評価制度が一新されると「もう自分の居場所ではない」と感じ、退職を選ぶスタッフが出てきます。特に、リーダー格の看護師や事務長が辞めると、組織の空気ごとガラリと変わってしまいます。

こうした離職を防ぐには、“就任前”からの段取りが重要です。たとえば、事業承継の正式決定後、すぐにスタッフ向けの事業計画説明会を開催し、新体制の方向性やビジョンを共有すること。ここで、「今までの体制をリスペクトする」という姿勢を明確に伝えると、安心感が生まれます。

また、給与・待遇の変更は“最短でも1年後”を原則とすることが望ましいです。特に「賞与の査定方法」や「勤務時間の柔軟性」が大きく変わるときは、説明会+文書による周知をセットにし、スタッフの不安を払拭します。

さらに、既存のスタッフ代表(例:副院長、リーダー看護師、ベテラン事務)と新院長が定例ミーティングを行う仕組みを設けると、現場の声を迅速に吸い上げることができ、急激な変化へのクッションになります。

承継は「経営者交代」であると同時に、スタッフにとっては「職場文化の刷新」です。その変化の波を、いかに“共創”に変えられるかが定着のカギを握ります。人材が流出しない医院づくりは、実は“承継前”の対話にかかっているのです。


🔑 承継後のスタッフ離職を防ぐポイント

  • クリニック事業承継後の離職原因は「価値観のズレ」と「待遇の変化」
  • 承継前からスタッフへの説明会を実施し、安心感とビジョンを共有
  • 給与・賞与制度の変更は原則1年後、段階的な導入が定着率向上に有効
  • スタッフ代表との定例ミーティングで現場の声を反映する体制を構築
  • 医療法人の事業承継では“人材流出対策”が最重要テーマのひとつ
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