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クリニック移転を成功させるための実務スケジュールとチェックリスト

2025/12/17

クリニック移転を成功させるための実務スケジュールとチェックリスト

「クリニック移転」は、医院経営者や医師にとって大きな経営判断です。

単なる引っ越しではなく、診療を止めることなく患者さんに安心して通い続けてもらうための「医療機関移転プロジェクト」といえます。

しかし、移転準備が不十分だと「開院日が遅れてしまった」「患者数が減少した」「スタッフが疲弊した」といった失敗例も少なくありません。

そこで本記事では、クリニック移転を成功させるためのスケジュールと実務チェックリストを、医療経営者向けに整理しました。

クリニック移転が難しい理由

一般企業のオフィス移転と比べると、クリニック移転には独自の難しさがあります。

●診療を止められない:通院中の患者さんの診療継続が求められる

●医療機器の移設が複雑:精密機器や大型設備の搬入・調整が必須

●行政手続きが必要:保健所や厚労局への届出が不可欠で、スケジュールに直結

●患者周知が必須:移転後も患者さんに来てもらうために十分な告知が必要

このように、移転は「医療機関の機能を止めずにリニューアルする」という特殊な性質を持ちます。

だからこそ、体系立てた移転スケジュールとチェックリストが欠かせません。

クリニック移転スケジュールとチェックリスト

✅12〜9か月前:構想・物件確定

●移転理由を整理(増患・利便性改善・建物老朽化など)

●新規物件の立地調査・条件比較

●契約交渉(賃貸条件・契約期間・更新料など)

●資金計画を立案、金融機関に相談

<ポイント>

移転先の立地は経営に直結します。

駐車場の有無や公共交通機関からのアクセスによって、患者数が増減するケースもあるため慎重に判断しましょう。

✅ 9〜6か月前:設計・手続き準備

●医療施設に強い内装設計・施工会社を選定

●医療機器レイアウトを検討(動線・電源・配管含む)

●保健所・厚労局など行政機関へ事前相談

●引っ越し業者・医療機器メーカーとスケジュール調整開始

<ポイント>

医療施設の設計は一般オフィスと大きく異なります。

診療動線や感染対策を考えたゾーニングは必須です。

行政手続きは意外に時間がかかるため、早めに着手される事をオススメします。

✅ 6〜3か月前:施工・行政手続き

●内装工事開始(電気・給排水・空調・床補強など)

●医療機器の発注・納期確認

●開設届・変更届の提出スケジュールを確定

●看板・外観デザインを決定

<ポイント>

工期遅れは移転失敗の大きなリスク。

特にCTやMRIなど重量物を導入する際は、床の耐荷重や搬入ルートを必ず確認しましょう。

✅ 3〜1か月前:告知・最終準備

●患者さんへの移転告知(掲示・HP・SNS・郵送など)

●スタッフへの業務フロー・動線説明

●電子カルテ・レセコンの移設準備(テスト稼働を設定)

●備品・消耗品の新規購入/処分リストを確定

<ポイント>

患者様への周知不足は「移転後に患者様が来ない」最大の原因です。

待合室への掲示や診療時の声掛け、ホームページやSNSでの発信を組み合わせ、複数回告知を行うと患者様の認識も上がってきます。

✅ 移転直前〜当日

●医療機器・備品を搬入し、試運転を実施

●ネットワーク・電話回線の動作確認

●消防・保健所の立入検査対応

●スタッフ全員でリハーサル(受付〜診察まで模擬診療)

<ポイント>

電話が繋がらない、カルテが開けない等のトラブルは患者さんの信頼を大きく損ねます。

事前の総合リハーサルで確認を徹底しましょう。

✅ 開院直後(1〜2週間)

●患者動向を確認し、告知不足があれば追加アナウンス

●スタッフのオペレーションを調整

●設備や機器の不具合がないか確認

<ポイント>

新しい環境に慣れるまでの時間が必要です。

最初から完璧を求めず、患者様やスタッフの声を聞きながら改善を重ねていくことが重要です。

<よくある失敗と回避策>

  1. スケジュールに余裕がない

1〜2か月の余裕を見込んだ「安全マージン」を設定しましょう。

  1. 患者告知が不十分

1回では不十分。複数の媒体を使って繰り返し告知するのが鉄則です。

  1. スタッフの負担増大

移転はスタッフにも大きなストレスがかかります。

事前に説明・相談の場を設け、モチベーションを維持することが成功の鍵です。

<まとめ>クリニック移転は未来への投資

「クリニック移転 スケジュール」をしっかり組み立て、段階ごとにチェックリストを確認しながら進めることが成功の近道です。

移転は患者さんやスタッフにとって大きな変化ですが、前向きに「新しいスタート」と捉えて情報発信することで信頼関係は強化されます。

院長先生ご自身がすべてを抱え込まず、専門業者や医療機関移転に実績のあるパートナーを巻き込むことで、安心かつ効率的に進められるでしょう。

クリニック移転は単なる引っ越しではなく、医院の未来をつくる投資。 計画的なスケジュール管理と実務チェックリストを武器に、ぜひ成功へ導いてください。

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